でっきぶらし(News Paper)

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252号(2020年02月)3ページ

両生類爬虫類会議

 私たち動物園の飼育員には様々な仕事があります。もちろん動物のお世話をすることが1番の仕事ですが、今回の記事では飼育員のその他の仕事をちょっとだけ紹介します。今回紹介するのは飼育員が参加する「会議」についてです。日本全国の飼育員が1年に1回だけ集まって行う特別な会議。それではこれがどういった感じのものか、お話していきましょう!

 去年の12月に「両生類爬虫類会議」が行われました。これには全国の水族館と動物園から両生類、爬虫類の担当飼育員が集まります。会議と言っても堅苦しい話し合いではなく、あくまで情報交換をするための場になっています。会議のメインとなるのは各園館からの研究発表です。その内容は動物の飼育に関することや、病気に関すること、動物園での取り組みなど様々なものがあります。例えば、爬虫類の卵をふ化させるためにあたためるのですが、その温度で性別が決まるものがいます。研究発表は、「じゃあどのくらいの温度からオスになるか?メスになるのはどのくらいか?」といった研究や、「ある池に住むカメはが、全国ではどこにどのくらい生息しているのか?」をテーマにした地域に生息している野生動物の調査、動物園に来たお客さんを対象に「爬虫類のことをどう思っているのか」といった意識に関するアンケート調査の分析結果などなど本当に多種多様です。こういった発表を聞いて全国の両生類、爬虫類のプロフェッショナルのみなさんと意見交換をしていきます。飼育員の中にはカメ類やヘビ類について学者さん並みに詳しい方もいます。そういった方々と意見交換をすることで知らないことや、わからないことをたくさん教えてもらうことができたり、さらに新しい問題を発見できたりといいこと尽くしです。こういった意見交換はとても大切で、特に両生類、爬虫類ではカメ、トカゲ、ヘビ…といったように動物の種類がとても多く、それぞれの動物で飼育管理の方法が全く違います。なので、こういった会議を通じ最適な飼育管理の方法や病気の治療法などについて全国の飼育員さんたちと知識や技術をもっと高めていくことが大切な目的となっているのです。

 今回の会議のお話はどうでしたか?みなさんが想像している会議とはちょっとイメージが違うと思います。私もいつか爬虫類の達人と呼ばれるように、こういった貴重な機会を活かして日々頑張っていこうと思います!

(片野 孝太郎)

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