でっきぶらし(News Paper)

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227号(2015年12月)1ページ

ウェルカム!キリンがやってきた

 去年の夏にマサイキリンのリンが亡くなってからキリン舎は空き家となっていましたが、ついに日本平動物園に2頭のキリンが来園しました。若いオスとメスのペアでそれぞれ生まれた場所は違いますが、共にはるばるアメリカからやってきました。
 現在オスは2歳でメスは1歳半です。体の大きさは約3m、メスの方がオスよりも一回り大きいです。大人のキリンは5mにもなるのでまだまだ小さな子どもですが、エサは2頭ともよく食べるので、きっとすくすく育ってくれるでしょう。
 オスとメスを比べてみるとすぐに違いが分かると思います。メスははっきりとこげ茶色の模様がありますが、オスは体が白っぽくキリン特有の模様も淡い茶色をしています。性格はどちらも落ち着いているようですが、メスは少し慎重派なようです。オスはかなり人に慣れていて、移動の際も輸送箱からキリン舎の寝室に入って割とすぐにエサの葉っぱを食べ始めました。放飼場に出す訓練を始めると、すんなりと移動して自分からお客さんの方へ歩いて行ったりと、おおらかな性格のようです。メスもオスから数日遅れて放飼場に出るようになり、今ではずいぶんと環境に慣れてくれました。
 2頭のキリンも順調に新しい居場所に慣れてきたかと思った矢先に、残念ですがオスが急死してしまいました。愛嬌のある可愛いキリンを失ってとても悲しいですが、気を取り直して、残ったメスをしっかりと見守っていきたいと思います。

◆冬来たりなば春遠からじ

 動物園では多くの命が生まれ、失われていきます。10月22日にホッキョクグマのバニラが子どもを出産しましたが、その子どもは死亡してしまいました。バニラは初産で出産前の兆候も見られず、本来は巣穴で産むはずの子を放飼場で産んでしまいました。最初のうちは子どもを舐めたりもしていましたが、落ち着かない環境でどうしたら良いのかも分からず、我が子を咬んでしまったようです。ロッシーのお嫁さんとして静岡にやってきて、早く子どもが生まれないかと多くの人が待ち侘びていましたが今回は残念な結果となってしまいました。しかしロッシーとバニラの相性は良く、繁殖が可能であるという事が分かったので、次こそは可愛い赤ちゃんが見られるだろうと期待しています。皆さんもロッシー・バニラの仲良しペアを見守っていて下さいね。
 一方小型サル舎ではリスザルとヒゲサキに赤ちゃんが生まれました。ヒゲサキは立派なヒゲと盛り上がった冠毛が特徴のサルで、日本国内に10頭程しかいない貴重なサルです。そんなヒゲサキの繁殖に日本で初めて成功した動物園が、この日本平動物園です。
リスザルとヒゲサキはどちらも経験豊富なベテランペアで、赤ちゃんはすくすくと育っています。必死にお母さんにしがみついている赤ちゃんはとても可愛いので、ぜひ見に来て下さいね。

飼育係 久保 暁

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