でっきぶらし(News Paper)

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209号(2012年12月)1ページ

新施設完成とニューフェイスたち

 日本平動物園の再整備事業は着々と進んでいます。来年の春には再整備が完了し、リニューアルされた日本平動物園が皆さんの前に姿をみせる予定になっています。
 そしてこのたび、待望のレッサーパンダ館、ペンギン館、ビジターセンターが10月17日にオープンしました。
 動物園正門を入ると目の前に青い八角形の屋根をした建物が見えます。この建物がビジターセンターです。ビジターセンターの手前側はフェンスで囲まれたレッサーパンダの放飼場になっています。そしてビジターセンターとレッサーパンダ館は一体化した施設で、ビジターセンターに取り込まれたかたちでレッサーパンダの屋内放飼場と寝室があります。ビジターセンター1階は展示ホールになっていて、ここでも屋内放飼場のレッサーパンダの姿を見ることが出来ます。
 ビジターセンターの正面から向かって奥側には新ペンギン館がビジターセンターの建物に連なっています。
 オープンに先立つ10月1日と9日に、それぞれレッサーパンダの4頭と、フンボルトペンギン17羽の引っ越しがありました。
 レッサーパンダは元のレッサーパンダ舎から、ペンギンたちはバックヤード棟という仮住まいからの移動でした。
 まず大好きなリンゴに釣られて輸送箱に入ったレッサーパンダ4頭はトラックに揺られて新居へ到着。オープンの日までに、新しい建物に慣れてくれるだろうかという飼育員たちの心配をよそに、レッサーパンダたちは戸惑う様子もなく屋内と屋外放飼場をつなぐ橋をすたすた渡っていったのでした。
 いっぽうバックヤード棟の仮住まいが長かったフンボルトペンギンたちは体重測定を済ませたあと、やはり輸送箱に入り、新ペンギン館へトラックに乗せられて移動しました。転居後まもなくプールには慣れて、食欲も最初からなかなかのようすでしたが、陸地にはいまだちょっと慣れなくて、上陸しても水際からは離れないようです。早く慣れて巣穴にも出入りしてほしいですね。
 10月には3頭のニューフェイスが日本平にお目見えしました。
 まず、10月22日には北海道札幌市の円山動物園からマサイキリンの「ナナスケ」がやってきました。ナナスケは生後1歳5か月のオスで、身長は2m50cm以上あります。日本平動物園では12歳のメス「リン」1頭の展示になっていました。ナナスケは年齢こそ離れていますが、繁殖のためやってきたオスなのです。キリンのオスが繁殖できるようになるのは4〜5歳といわれているので、リンとの間に赤ちゃんをもうけるのに3〜4年待たなければなりません。
 同日、キリンのナナスケといっしょに円山動物園からやってきたのがオスのスローロリス「ジャイアン」です。他のスローロリスよりひとまわり大きい立派な体格が、名前の由来になったそうです。神経も図太そうな様子で、あたらしい部屋の環境にもすぐ慣れて、わがもの顔で歩き回っていました。
 10月29日には沖縄こどもの国からメスのオオアリクイ「妃南(ヒナ)」がやってきました。妃南は1996年に沖縄こどもの国に出園した、当園にいるジョッキーの娘で、かつ、これまた当園にいるムチャチャの妹「エスペランサ」の子供です。つまりジョッキーは妃南のおじいさん、ムチャチャは妃南のおばさんにあたります。
 妃南は2011年5月29日生まれ。まだおかあさんが恋しい年齢かもしれませんが早く新しい環境になれてほしいものです。妃南には繁殖のため、あたらしくおむこさんオオアリクイをみつける予定になっています。
 皆さんも3頭のニューフェイスの成長と活躍を見守ってあげてください。

動物病院担当 菅野 展美

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