でっきぶらし(News Paper)

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192号(2010年02月)6ページ

スポットガイドだより

≪11月15日 アメリカバイソン≫

日本平動物園のなかで大きい動物といえば、例えばゾウさん、キリンさん、又はシロサイや、北極グマのロッシーなどいますが、ビッグサイズといえばもうひとつ忘れていけない王者がいますよね。そうです、アメリカバイソンです。その表情や格好から伝わってくるのは、一言でいいますとやはり勇ましさですよね。

しかし、よく見ると、不思議な動物だと思いませんか?顔と頭はとても大きくて、前半身は茶色のモジャモジャした長い毛で覆われて、後ろにいくにつれて、闘牛のように引き締まっているのですから。力はとっても強そうです。

現在バイソン舎には3頭が飼育されています。マック♂とモモ♀そして、チェリー♀です。担当飼育員は諸星さんです。今日のスポットガイドはバイソンについてのお話です。

当日、小さなテーブル一つとマイクを用意していると、何か始まるのかな?と関心を寄せる来園者のみなさまが多く、ガイドスタッフのチラシ配りの協力が盛り立て、あっという間に大勢の方が集まりました。

まず始めに、野生のアメリカバイソンの生息地、そして、生態特徴についてのお話がありました。あの格好で体重一トン近くもあることについては、皆さん「フムフム・・」と納得していました。

その後、簡単なクイズが用意されていて、「蹄の数は・・・?同じ形のしっぽをもつ動物は・・・?」など、子どもから大人まで、皆さん答えを推理して楽しそうでした。景品はバイソンの特製モジャモジャの毛(本物)や、握りこぶしひとつほどの大きさの木彫りフクロウなど数種類あるのですが、人気は木彫りのフクロウで、予想外に本物バイソンの毛は貰い手がなくさびしかったです。なぜでしょうかね?

う〜ん、その場に漂うバイソン臭に皆さん満足してしまったのですね。「クンクン!」(笑)最後に、普段入室することのできないバイソン舎の寝室を見学でき、しかも、直接エサをあげられ、近くでふれ合えることができ、参加された皆さん大変満足そうでした。また来年も、会いにきてくださいね。

≪12月20日 夜行性動物館≫ 

静岡市で今年一番の寒波が襲い水溜りには、うっすらと氷ができる季節となりました。読者の皆様、風邪などひいてはないですか?寒いときは、無理をなさらずお体をご自愛くださいませ。

さて、本日のスポットガイドは夜行性館でございます。動物園入り口側より見て、川を挟んで右側、南エリアはこの時期午前中はお日さまがとどき温かいのですが、正午を過ぎますと、日影がしのび一気に冷え込んで寒くなってまいります。

「寒い!」そんなコンディションのなか、ガイドの準備をしていましたが、人通りは少なく、集まってもらえるのか、心配していましたが、スポットガイド班スタッフならびに、動物園職員の案内のおかげで次第にお客さんが集まり始め三十人ほどの方が参加してくださいました。ありがとうございます。

ご存知のとおり、夜行性の動物たちは天敵から身を守るため、又はエサを獲るために、主に夜活動する動物でございます。暗闇の中でも自在に動くことのできるよう、ほとんどの動物たちは、特徴として目が丸くて大きく回りを見通せます。

そして、嗅覚や聴覚もとても優れています。今現在の飼育数は十三種類います。この中から二種類の動物、ひとつはアフリカタテガミヤマアラシ、そして、もうひとつはフェネックギツネを紹介しました。

まず始めに、ヤマアラシからですが、十一月中旬までペアで二頭飼育していたのですが、メスが老衰のため二十二歳齢で亡くなり現在はオス一頭飼育となっています。解説では、野生での生息地、食べ物や特徴などを紹介しました。アフリカ東部の岩の多い荒地に住んでいて、昼間は岩の割れ目や、地面に掘った穴の中で過ごし、夜になると地上に出てきて、草や木の実などを食べて歩き回ります。天敵に対しては体中のトゲを逆立て体を振るい「カラカラ!」と音を出し威嚇します。その強さはあの百獣の王ライオンでも死にいたらしめるほどの強力な武器になります。

実際にダンボール紙を用意し実験をしました。参加者の中から、希望者を集いヤマアラシの本物のトゲで刺してもらいましたが、結果は、ご想像のとおり、いとも簡単に「プスリ!」と貫通しその威力に皆さん正直驚いておりました。

ヤマアラシのトゲは毛が集まって生えていると言われていますが、肉厚も十分なトゲはとてもそのようには見えませんね。そして、同じくアフリカに生息するフェネックの解説では、あのかわいらしく特徴のある大きな耳の仕組みや、毛皮は強い太陽の光線を遮断して体温上昇を抑えること、そして、灼熱の太陽に照らされた高温の砂漠から足を守るために足裏まで毛で覆われていることなどを紹介しました。

その後、クイズを用意して飼育員特製の景品をプレゼントし、参加してくださったお客さんと共に楽しく盛り上がりました。最後には、普段お客さんは入れないキーパー通路にご案内し、直接フタユビナマケモノやアフリカタテガミヤマアラシを扉ごしからご覧いただき、調理室の様子なども解説しましたが、皆さんとても喜んでいただき、うれしゅうございました。

スポットガイド班 班長 夜行性館飼育員 青木光生

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