でっきぶらし(News Paper)

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106号(1995年07月)16ページ

動物園こぼればなし 〜 トミーのはばたき 〜

 ペンギンの人気はベスト3に入るのではと、思われるほどです。日曜日、祭日はもとより1年を通じて、にぎやかな箇所です。「歩く格好が可愛い、泳ぐ時は、そろっていて速い。」などなどその会話はさまざまです。3月21日誕生、3月13日人工育雛に切りかえ、獣舎から動物病院に、この日つけられた名前はトミー、病院に来た時のトミーは、73.75gと平均的な個体で元気そのものです。2日目からは、自分で餌の催促をするほどの積極性です。
そして、日一日と体重が増え今までの例からすると、ちょっと大食だなぁーと思うほどです。でも安心ばかりはしておれません、日令20日ほど経過してクシャミをするところを見ました。ペンギンにとって、これは大変な病気です。レントゲン撮影・投薬は3日間続きようやく元気になり、ひと安心です。不思議といえば、投薬2日目から食欲旺盛、そして次の日から一日3回の給餌を、2回にしてみました。翌日の朝、トミーの鳴き声は、病院内にひびき渡り、院内の動物達もさぞびっくりしたことでしょう。そして、あれこれあったのですが、ワカサギ、小アジを丸ごと食べるようになり、80日目そろそろ、仲間と一緒にしても良かろうということになり、81日目に、ペンギン舎に移動しました。今までは、育ての親は、人間のおじさんでしたが、大きな池、ペンギンの仲間は奇妙に見え、空は限りなく広くただとまどうばかりです。その中で1羽、2羽と寄って来たのでいやおうなく、プールに入らざるをえなくなりました。そして2羽が追いかけて来ます。おじさんはただみているばかりです。そして数日が過ぎ、今では、落ちついて採食もでき、なんとなくペンギン舎の一員になることができました。みなさん「トミー」と呼んでみて下さい。きっと泳いで皆さんのところにいくでしょう。
(飼育課 川畠実)

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