でっきぶらし(News Paper)

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120号(1997年11月)5ページ

1997年をふりかえって【開園以来の動物の相次ぐ死】

 昭和44年8月1日に開園し、28年という年月が経過しました。青年だった飼育職員も、このところ髪の毛に白い物が混じるようになったり、本を読むのに遠目で見たりと、確実に時は流れています。
 そんな中、若かった動物たちも年をとり、このところ開園以来の動物たちが「死」をむかえています。特に昨年は目立ったような気がしました。
 まず、カリフォルニアアシカのチビが、1月25日に死亡しました。チビは8回出産し、最後の子は「エル」と名付けられ、現在神戸の王子動物園で飼育されています。
 チビも昭和58年以降出産がみられなくなり、晩年は両眼白内障を患い、死の間際は担当者が餌のサバを鼻先に持っていくと食べる状況となっていたのです。
 続いて、こども動物園において、ロバのマコが4月5日に、そしてポニーのマミーが9月7日に死亡しました。2頭とも、こども動物園で行なっている幼児動物教室では欠かせない存在となっていました。
 マコは、来園時すでに大人でした。幼児教室の時、子供たちを乗せて馬場を1周するのですが、どうやら自分のペースがあるらしく、最初はノリノリ、そのうちに徐々にペースダウン、最後はストップとあいなりました。
 そこで、仕方なく担当者が「おい、疲れたか?」の一言。「すみません、ちょっとこの馬疲れたみたいなので、馬をかえますから。」と子供を降ろし、馬場の出口を開けると、今まで疲れていたのはうそのように、自分の寝小屋に一目散で駆け出すではありませんか。あ〜あ、またやられた。このパフォーマンスに担当者は何回だまされたことか・・・。でもこのヌーボーとした風格にファンも多かったようです。
 このマコと正反対に、血気盛んなマミー、それもそのはず、来園したときはまだ1才のやんちゃ坊主でした。乗馬の訓練もされていなかったので、当時のこども動物園の担当者全員で訓練にあたり、何とかマコの後がまに成長してくれました。
 そんな荒馬的だったマミーも、月日を重ねるごとに年を感じるようになり、マコの後を追うように5ヶ月後天国に旅立ちました。
 長い間ご苦労さまでした。安らかにお眠りください。

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