でっきぶらし(News Paper)

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126号(1998年11月)9ページ

1998年をふりかえって◆ひっそりと開園以来の鳥他界◆

 当園には大きなフライングケージがあり、その中を自由に歩きながら鳥の観察をすることが出来るようになっています。
 フライングケージの中にはカモやツル、トキ類など約20種類の鳥達が生活しています。5月から8月にかけては鳥の繁殖シーズン。巣箱の奪い合いから始まって、ヒナがかえれば、ヒナを他の鳥から守ろうと親鳥が必死になっている姿がそこにはあります。
 その中に開園以来飼育してきたヒシクイというカモも仲間がいました。このヒシクイ、なぜか1羽のツクシガモのメスとペアを組み、このツクシガモのヒナがかえると、まるで自分の子のように守ろうとするのです。そのため本当の父親はそばにゆけず、オロオロするばかり。しかたがないので、ヒシクイ君は病院で隔離される羽目となり、毎年非繁殖期のみフライングケージでの生活を送っていました。
 しかし、ここ2年ほど前から白内障となり、採食も勘を頼りにしている様子が見えはじめ、1年を通して病院の1部屋で過ごすようになり、5月26日にひっそりと息をひきとりました。
 この他に開園以来飼育してきたカンムリヅルも9月中旬、立てなくなってしまった為、動物病院での生活となりましたが、10月31日に彼も他界しました。
 こうして開園以来の動物が減っていくのは、とても寂しいことですが、彼らと過ごした思い出を胸に、まだ生存している仲間を大切に飼育してゆきたいと思います。

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