でっきぶらし(News Paper)

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287号(2026年09月)4ページ

葉っぱ取り

日本平動物園には哺乳類・鳥類・は虫類・両生類と様々な動物が飼育されています。たくさんな種類の生き物がいれば当然、色々な餌が日々使われます。

肉食獣には肉、草食獣には野菜・草・人工飼料、雑食の動物にはその両方、魚しか食べない動物には魚を与えています。当然、自分たちで畑を作って野菜を栽培したり、魚を獲ったりする訳にはいかないので基本的に青果店・鮮魚店・飼料店から購入しています。ただ、それ以外の餌で与えているものがあります。それが「木の葉」です。取り扱っている業者さんはあまりないのですが、シイの葉、竹の葉、多肉の植物の葉などを販売しています。え、そんな店があるの?売れるの?と思う方も多いかもしれませんが、草食・雑食の動物、特にレッサーパンダのような竹の葉を主食としている動物を飼育している動物園にとってはありがたい存在です。ただ少し問題もあります。購入した葉は日持ちしないことです。収穫してから宅配便で送られてくるので、どうしても時間が経ってしまいます。皆さんも切り花を花瓶に入れたのに早く枯れてしまい残念な思いをしたことはないでしょうか?動物園でも長く持たせるよう購入してから水に浸けたり、冷蔵庫に入れたりしますが残念ながらそれほど長持ちしません。日が経てば経つほど水分が抜け、葉も硬くなり動物も食べなくなります。たまに造園業の方が剪定した枝葉を寄付してくれるのですが、動物園で使う量は結構多いので足りません。ではどうするのかと言うと、担当者が自分で取りに行く事になります。ご存じだと思いますが、植物には常緑樹・落葉樹があり季節によって取る事の出来る葉が変わります。自分は春~夏はケヤキや桜、夏~冬はシイやカシなどを取ります。シイは常緑樹なので一年中取れるのですが、春の新芽が出る頃の葉は好みでないらしく、多くの動物があまり食べません。反対にケヤキの新芽はやわらかくておいしいらしく、よく食べます。同じ葉なのに不思議ですね。ちなみに竹が主食のレッサーパンダは竹の新芽は嫌いらしくほとんど食べません。結構グルメです。

実は葉を食べる動物は結構いるため、飼育員同士で葉の取り合いになります。どうしてもみんな近場で取りやすい所に行くので、そういう場所の葉はすぐに取り尽くされてしまいます。なので自分は誰も取っていない場所を狙って取りに行くようにしています。ただ誰も取りに行かないという事は当然デメリットがあります。1つは遠い事です。やっぱりみんな時間がかかる所には行かないんですよね。そして、もう1つが虫に刺される事です。来園者が通る道は足場が良く葉を取るのが楽なのですが、自分が取りに行くところは林の中で取る時にどうしても蚊や毛虫などに遭遇してしまいます。蚊に刺されたぐらいならすぐに治りますが、毛虫に刺されるとなかなか治らなくて痛痒いし最悪です。色々苦労はしますが、葉を食べる動物を担当している飼育員は、日々、葉の採集を頑張っています。

(岩田)

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